外科の産業医ならではのアプローチ

産業医には内科が多い

事業場において、労働者が健康で快適に作業をできるよう、専門的な立場から指導やアドバイスを行う「産業医」。労働安全衛生法第13条により、50人以上の労働者を抱える事業者は、産業医を選任しなければならないという規定もあります。

産業医にはさまざまな専門医がおり、一般的にもっとも多いのは内科の医師です。反対に、手術の執刀をすることが多い「外科医」は、産業医には少ないようです。

しかし、産業医の業務は多岐にわたり、内科疾患だけでなく外傷などにも対応しなければならない場合も多いため、内科医師だけでなく、外科や精神科など、さまざまな分野に精通した医師が求められます。

産業医の専門科目と事業場の業務

たとえば、デスクワークが多い事業場であれば、労働者の運動不足やそれに伴う腰痛、肩こりなどは深刻な問題です。また、反対に体を動かすことが多い工場などでは重たいものを持つことによる腰痛や、安全対策なども重要な課題となります。そんなとき、外科的な知識が豊富な産業医であれば、腰痛や肩こりを軽減するアドバイスなども行いやすいかもしれません。

実際に事業場によっては、作業前や作業中に腰痛を予防する体操を取り入れることで、労働者の腰痛軽減につながったというようなところもあるようです。そう言った意味では、日頃から腰痛や肩こりなどの治療を行うことが多い外科(特に整形外科)などは、他の科に比べると腰痛などへのアプローチは得意といえるのではないでしょうか。

もちろん、外科医に限らず、その他の診療科目を専門とする医師でも、こうしたアドバイスや対策を行うことは可能です。内科的な立場から、食生活や生活習慣を改善して体重を軽減することが、結果として腰痛など不調の原因を取り除くことなどもできるでしょう。

このように、産業医には、労働者が直面するであろうさまざまな健康・安全面でのリスクに対応していける能力が必要です。事業場側としては、産業医を選定する際には、自社の業務の特性に向いていそうな診療科目の産業医を選定することで、産業医とより良い関係を築くことができるでしょう。

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